お気に入りの場所

by Noriko Yamaguchi
Bhutan 世界のマウンテンリゾート、ビーチリトリート、 デザイナーホテル、ラグジュアリーロッジを巡って

アマンコラ
アジア最後の秘境、ブータン王国。1972年、若い第4代 国王は長く半鎖国状態にあった母国に外国人受け入れを 開 始 、過 去 か ら 現 れ た よ う な「 幻 の 国 」は 世 界 中 の 憧 れ を かきたてた。開国後も少しずつ近代化を図る中、信仰と伝 統、国土を保守し、国の独自性を貫き、誇り高いブータン人 は今も健在だ。特にチベットから受け継がれた仏教の信仰 はあらゆる場所に染み渡り、民族の精神となっている。200 4年、アマンは外資系企業として初めてここにリゾートホテ ルを誕生させた。それがアマンコラ・パロだ。アマンコラの「 コラ」は「巡礼」。ホテル部屋からは聖なる山チョモラリを望 み、歴史的遺跡ドゥゲ・ゾンと向かい合う。部屋は開放的な 一続きのレイアウトでブータンの薪ストーブ「ブカリ」が暖か い。スパではブータン式ホットストーンバスが人気だ。 Palmilla

ワン&オンリー・パミラ
世界一長い半島、バハ・カリフォルニアの終りにあるロスカ ボス。その海沿いの岸壁のせまるダイナミックな岬に立つリ ゾートホテル、ワン&オンリー・パミラ。敷地内はメキシカンス タイルにあふれ、白壁にオレンジ色の瓦屋根の客室ヴィラ、 教会もある。部屋はメキシコの意匠をつくした鉄細工や彫 刻、刺繍など伝統工芸が極みに彩られ、テラスには大きな デイベッド、鯨を見るための望遠鏡も準備されている。「ロー フード」の提唱者としても知られるアメリカのトップシェフ、チ ャーリー・トロッターがここにレストランを開き、世界中から注 目を浴びた。また原始の自然が残る奥地へのドライブや砂 漠のディナー、アシカが群れる半島突端でのシーカヤックな ど、地の果ての桃源郷には現実から逃避できる非日常がつ まっている。

Italy エヌハウ
街の景観保護を何よりも優先するミラノでは従来の建造物 をできるだけ残すことが課題とされてきた。歴史的なモニュ メント、大聖堂ドゥオーモなどが残る中心部に行くほど、新し い建物は建ちにくい。それだけにミラノ建築家やデザイナー 達は建物のリノベーションや内装のリニューアルに創造性 を発揮してきたといえる。近年、古くからある建物を利用し最 先端のデザインホテルを次々とオープンさせている。フォー リ・サローネの中心地として注目されるトルトーナ通りに200 7年にオープンした「エヌハウ」もその一つだ。かつて工場だ った建物を大胆に改装し、各フロアの廊下やエレベーター ホールがモダンアートのギャラリーになっている。家具のショ ウルームの役割も果たしており、気にいったプロダクトはオ ンラインで購入できる。デザインホテルと言うと、かっこいい だけで部屋やバスルームなど使いにくいと思われがちだが、 ここは居心地良く遊び心もいっぱい。ライフスタイルのトレンドを発信するラグジュアリーなホテルだ。

New Zealand グラスミア
ニュージーランドでロッジといえば、客室数が限られたラグジ ュアリーな宿泊施設のことを指す。ホテルとは違い、オーナ ーの屋敷や別荘にゲストとして泊まるというプライベートなス タイル。ここグラスミアはモダンな木造建築のシャレー棟で、 客室はたったの4室という贅沢な作りだ。部屋からはサザン アルプスの山々が間近に見え、ベッドにかかった毛布もなぜ か懐かしい雰囲気を醸し出している。日中はグラスミア湖で のフィッシングやトレッキング、乗馬などを楽しむことができ、 夕食はゲスト全員でテーブルを囲み、話がはずむ。また食事 と一緒にいただく地元のワインはクライストチャーチから北 へ30分ほどのワイパラ・ヴァレーにあるワイナリー「ペガサス ベイ」のワイン。ニュージーランドでは白ワインが有名だが近 年ではピノ・ノワールなどの赤ワインの評価も高まり、できる だけ自然な方法で醸造し、限られた生産量を守るという哲学 を貫いている。都会の喧騒から離れ、自然の恵みを感じず にはいられない旅ができる。