成功を引き寄せる映像

by Julian Ryall
成功を引き寄せる映像 身近になった企業紹介ビデオの今を探る

一枚の写真が千の言葉に匹敵するなら ば、企業のメッセージを適切な受け手 に伝えるという点で、動画は写真をはる かに上回る価値があるに違いない。

中小企業がコーポレートビデオを作成 するのに障害となるのはコストだろう、とよく言われてきた。 しかしヴィデオソリューションズ社のオリヴィエ・マルティネ スCEO(26歳)によれば、その懸念はどうやら過去のものに なったようだ。

「私たちはビデオに対してまったく異なる見方をしていま す」2年前に来日してこの国にビジネスチャンスを見出し、 半年後には自分の会社を立ち上げた。

「業者に委託してビデオを製作しようと考える企業は、制 作費がひどくかかるため、なんとしても特別なものを作るの だと決めつけてしまいがちです。しかし撮影機材はこの数年 でずいぶん安くなりましたし、技術も進歩しました」とマルティ ネスさん。

「ビデオはツールなのだと私たちは考えています。セール スとマーケティングのツールですね。だから創造性より有効 性に焦点を合わせます。私たちのビデオが目指すゴールは、 コミュニケーションやブランドイメージの向上ではなく、ずば り販売にインパクトを与えることなのです」

パリ生まれのマルティネスさんは日本に来るまでに、フラ ンスのインディペンデント系映画製作会社による数多くの 長編映画でチーフアシスタントディレクターにまで昇進し、そ の過程でジャン・ピエール・モッキーを始めとする業界のビッ グネームと仕事をした。

演劇を撮影する会社を設立し、自らの短編映画も2本制 作している。日本では短期間ながらプロモーションビデオを 作るベルギー企業で働き、その後独立する。

「独立してすぐに大企業と仕事ができたのは幸運でした」 と言う。ヴィデオソリューションズ社は委託を受けて、プ ジョー308が日本で発表される際のDVDを制作した。出来 上がったビデオにいたく感銘したプジョーは、日本のディラー に一件ずつこのDVDを配布したのである。

ヴィデオソリューションズ社の仕事の大半は、フランス企 業へ海外の市場で足がかりを掴む手助けをしているフラン ス商工会議所、日仏学院、Ubiジャパンを通じ依頼が来る。 しかしプジョーの仕事で知名度が上がったのを機に、雑誌 『ELLE』、フランス大使館、ロンシャン、ジバンシーといっ た大所のプロジェクトへと繋がった。

どの場合も早い段階でクライアントと充分に話し合い、 求められているものを明確にする。

自身の年齢が比較的若いことに関しては、メリットとデメ リットの両面があるとマルティネスさんは言う。ずらりと並ん だ年配の日本人役員を向こうに回すときなどは、若いこと が足をひっぱる。概してこうしたお偉方はマーケティングに 対する取り組みが保守的だからだ。

「若いだけに考えるのは速いですね。ミーティングルーム を出るときには、大抵アイデアがいくつか浮かんでいますか ら。クライアントとのディスカッションでは相手の言い分に じっくり耳を傾けます。それから私たちのビデオ作りのノウハ ウを持ち出して、クライアントの戦略に即した、実効性の あるビデオとしてどんなことができるのかを示すのです」

現在、マルティネスさんはビデオのエキスパートを2名パー トタイムで雇っているが、急速に拡大するビジネスにとも なって今年の春にはこの二人を正社員とし、さらにスタッフ を雇い入れる予定だ。

「私たちは多くの日本企業へ新しいコンセプトを紹介してい ます。日本企業もゆっくりと進歩しつつあり、今年の初めに は、ある大手日本企業と契約の調印にこぎ着けたいと思っ ています。私たちのビジネスは、業界内部の口コミによる 宣伝がうまく働いているフランス側では順調に推移しており、 これからは英語圏内でも進出できるよう期待しています」

「日本の市場は安定すると私は見ています。間違いのな い足取りで進めば、この市場で上首尾の結果を上げられる のはむしろ当然でしょう。それが私たちの目論みですから」マ ルティネスさんはこう語った。

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