日本のファッションの30年
アバンギャルドな日本のファッションを多 角的に検証するヨーロッパ初の展覧 会が、京都服飾文化研究財団の協 賛のもと、バービカン・アート・ギャラリー (ロンドン)にて開かれた。
三宅一生、川久保玲、山本耀司ら先見の明のあるデ ザイナーは、ファッションの根幹を再定義した。彼らは西欧 の確立した美の概念にチャレンジして、確固たる意志のもと ファッションをアートへと変えたのだった。かつて川久保の下 で学んだ“テクノ・クチュリエ”渡辺淳弥のほか、評価の高 い高橋盾や、栗原たお、まとふ、ミントデザインズを始めと する新世代のラジカルなデザイナーも大きく取り上げられた。 同展覧会では、日本のアート、カルチャー、服装の歴史と 関連させて、これらデザイナーの作品を検証したのである。
「In Praise of Shadows-陰翳礼讃」のセクションは、作 家谷崎潤一郎が昭和8年に発表した同名の小説の、きわ めて独創的な本文からインスピレーションを得ている。ここ では川久保玲と山本耀司による、評価の高い1980年代 初期のコレクションから始まり最近にいたる作品が、渡辺 淳弥、高橋盾、まとふの服とともに展示された。
「Flatness-平面性」のセクションでは、三宅一生と川久 保玲の作品における、平面性とボリュームが織りなす相互 作用と、シンプルな構造を探っている。また、畠山直哉が 同展覧会のために撮影した、一連の印象的な写真も併せ て展示された。
「Tradition and Innovation-伝統と革新」では両者の関 係を考察している。着物や折り紙といった日本伝統の衣服 や技法のラジカルな“再発明”から、繊維の製造や加工技 術における工業技術の進歩にまで触れている。栗原たお、 大矢寛朗、ミントデザインズによる紙の服、渡辺淳弥の 独創的な2000年秋冬コレクション「テクノ・クチュール」、 川久保玲によるデコンストラクションの作品、さらに山本耀 司、高田賢三、まとふによる日本の伝統的技法と衣服に 対するモダンな取り組みなどが展示された。
「Cool Japan-クールジャパン」と呼ばれる現象を捉えたセク ションでは、栗原たお、高橋盾(アンダーカバー)、滝沢直 己(イッセイ・ミヤケ)の作品が大きくフィーチャーされた。ここ ではストリートスタイル、ポップカルチャー、ハイファッションの 共生的な関係が検証されている。なお同展示会にはキャット ウォークコレクションのフィルム、インタビュー、ヴィム・ヴェン ダースによるドキュメンタリーの名作で、山本耀司が出演した 『都市とモードのビデオノート』を上映した部屋が並んだ。





