現代を生きる英国のロイヤルパレス

by Brian Gregory
Kew Palace: now as it was in 1818 ビジネスイベントやプライベートディナーを宮殿で

大切なクライアントを感心させたい、記念日を祝いたい、ビッグビジネスをがっちり掴みたい。そんな目的に相応しい飛びきりの場所をロンドンでお探しではないだろうか? 戦争と平和、貧困と繁栄という波乱に富んだ長い歴史を背景にもつ、英国でも指折りの偉大な建物が、なんと輝かしい過去を上手に利用してビジネスに乗り出したのである。格式の高い催し、新製品の発表会、あるいは得意客を強く印象づける場所として、これらの建物は企業、団体、個人向けに、他ではまねのできない舞台を提供しているのだ。

正式な晩餐会、リラックスしたレセプション、あるいは華やかなファッションショーをお考えなら、ロンドン塔や、ホワイトホール宮殿のバンケティング・ハウス、さらにはハンプトンコートパレス、ケンジントンパレス、キューパレスを試してはいかがだろうか。どこも比類なきヒストリーと、ぜいたくな環境が完璧にそろったロケーションとなっている。

しかしこのような建物は、貴族階級がとうの昔に見捨てて、放置されてきたのじゃないかとお考えなら、2006年に私が身をもって体験したことを聞いていただきたい。

Hampton Court Palace’s pool garden ネオジャパネスク推進協議会創立者で、パフォーマンスアーティストの表 博耀(おもて ひろあき)氏は、『セイビアⅣ』という舞台を企画しており、ふさわしい場所を探していた。当然ながら、表氏はまず場所を見てみたいというので、私たちはバンケティング・ハウスを見に出かけた。見学中に、突然館長が“重要なゲスト”が到着したので数分お待ちいただきたいと頼んできた。辺りを見回すとそこにいたのは、まさにチャールズ皇太子その人。皇太子は個人的に予約をしにいらっしゃったのであり、これを見た表氏は即座にバンケティング・ハウスと契約を結んだのだ。

宮殿にはそれぞれ独自のパーソナリティ、スタイル、幾多のストーリーがあり、どんな行事であれ、忘れられないイベントになること請け合いだ。あなたのゲストがヨーマン・ウォーダー(別名ビーフィーター、ご存じロンドン塔の守衛のこと)に歓待してもらえたり、贅を凝らした宮殿の大広間をガイドつきのプライベートツアーで楽しんだり、エリザベス女王が2006年の生誕80周年のパーティーを楽しんだその広間で食事ができる所など他にあるだろうか?

これら5つの宮殿は、“王位に就いていることに伴う権限”としてエリザベス女王の所有となっているが、実際の責任を負っているのは英国王室の文化遺産の保全・啓蒙を目的に設立された慈善団体『ヒストリック・ロイヤル・パレス』だ。すなわち、女王は次なる君主のためにこれらの宮殿を所有しているのであって、売却したりリースしたり、ないしは別の方法で宮殿のいかなる利権をも処分することはできないことを意味している。ヒストリック・ロイヤル・パレスが目指すところは、今まで作られたなかでも屈指の豪壮な宮殿の内部で、いかにして歴代君主と国民が社会を形成してきたかのストーリーを皆さんがたどるお手伝いをするか、こということにある。5つの宮殿は国を代表して女王の所有となっているが、ヒストリック・ロイヤル・パレスは政府からも王室からも財政的支援は受けておらず、かわりに見学者、会員、寄付、ボランティアやスポンサーのサポートで成り立っている。

Banqueting House Main Hall  18世紀以降、5つの宮殿はどれも王室によって定常的に使用されることはなくなり、政府が管理を引き継いだ。19世紀に一般に公開され ―― ロンドン塔だけはずっと早い時期に、選ばれた見学者に公開されていた ―― 1998年、ヒストリック・ロイヤル・パレスは勅許を得て、評議員会を持つ独立した慈善団体となったのである。

キューパレス
5つの宮殿の中でもっともくつろげるこの宮殿は、この10年間で大きく保全の手が入り、低層階はジョージ3世とその家族が王宮として使用していた1818年から1901年までの状態に復元された。夏のあいだ、ジョージ3世の『ダイニングルーム』は最大24名までの仲間内のパーティーに、また『クイーンズガーデン』は40名までのレセプションに利用可能。

ケンジントンパレス
300年以上にわたり王家の居城だったが、今日では、ダイアナ元王妃が着用したドレスを始めとする、儀式用衣装と王宮の素晴らしいコレクションの所蔵場所になっている。また有名なティールーム、『オランジェリー』は開放感と明るさあふれる空間で、レセプションやパーティー会場となっている。一方、豪奢な宮殿は、記憶に残るディナーやレセプションのゴージャスな舞台となり、着席のディナーなら150名まで収容、レセプションなら300名まで可能で、大テントを追加すればトータルで450名まで対応可能である。

バンケティング・ハウス
1649年にチャールズ1世が処刑された場所として有名。ドラマチックなエントランスから優雅に弧を描いて上る階段や、ピーテル・パウル・ルーベンスによる壮大な天井画が見所。375名が快適にディナーをとることができるほか、ファッションショーやカクテルパーティー、コンサートを楽しむことができる。

ロンドン塔
900年以上にわたり、ロンドン塔はシティにそびえたち、今でも世界的に有名な英国のアイコンとしてロンドンでもっとも目立つランドマークのひとつ。ここを置いて他では望めないセッティングでゲストを感動させたら、次はディナー前に『クラウン・ジュエル』を特別に拝観し、魅力的なストーリーを聞きながら巡るヨーマンによる特別ツアーを楽しんでいただこう。1663年に建設された『ニューアーマリー』は入念な修復が完了しており、昼や夜の宴会やレセプションに最適。最新の設備を備えているので、コンファレンス会場としても利用できる。また200年にわたるクラウン・ジュエルの保管場所であり、数々の王冠やダイヤモンドが保管されている『マーティン・タワー』は、くつろいだディナー会場として利用もできる。

ハンプトンコートパレス
ヘンリー8世の『グレートホール』の堂々たるセッティング、あるいは、遥か1699年にさかのぼる武器のディスプレイに息を呑まされる『衛兵の間』の独特な雰囲気。どちらも企業のゲストを楽しませるには持ってこいだ。絵のように美しい『ガーデンルーム』はサマーウェディングに理想的で招待客は庭の散策もできる。いちばん小さい部屋でも着席ディナーで40名、『グレートホール』なら着席ディナーで280名、立食のレセプションで400名のゲストをもてなすことが可能。なお、大テントエリアはディナーなら600名、レセプションなら800名まで収容できる。

ヒストリック・ロイヤル・パレスに関する費用、ライセンス、イベントについてのお問い合わせ: Brian Gregory, SCT Inc. on tel: 03-3926 2632 or email: bg@sctinc.co.jp