コミュニティ・アート・プロジェクト

by Alana Bonzi
フランス大使館、最初で最後の一般公開『No Man’s Land』- 空間と領域のすべてがアートに

昨年11月上旬、在日フランス 大使館は都内の新しい庁舎に 移転した。1957年に建てら れた旧庁舎に別れを告げるこ の移転を記念し開催されてい るのが、フランス大使館文化部と在日フランス商工 会議所の共催によるアート・プロジェクト『No Man’ s Land』【ノーマンズ ランド 創造と破壊@フラン ス大使館】。1月31日まで旧庁舎で一般公開される このイベント、実は来場者参加型のコミュニティ・アー ト・プロジェクトなのである。

『No Man’s Land』ではフランス人と日本人を中 心に、英国人やイラン人なども含む総勢約70名の アーティストがコラボレートした。人気のなくなった オフィス、地下室、廊下、階段、中庭にいたるまで、 寸分の隙間なく彼らアーティストのインスピレーショ ンで満たされている。

キネティックからヴィジュアルにいたるアート作品 が展示されるだけでなく、世界的に有名なアーティ ストから新進気鋭の若手まで、多彩な顔ぶれによる ライブパフォーマンスも繰り広げられる。

廃材をリサイクルした家具が置かれた環境にやさ しいスペース、Rebirth Caféでは俳優で映画監督 の伊勢谷友介氏とともに、「人類が地球に生き残る ため」立ち上がったRebirth Projectのメンバーに 会うこともできる。

三宅信太郎氏はフランス、日本の両国で人気のラ イブドローイングを行う。また彫刻家で環境アーティ ストでもある土屋公雄氏がなんの変哲もないオフィス の品々をアートへと昇華させた作品のほか、日本在 住のフランス人アーティスト、オードリー・フォンドカ ブ氏やマチュー・マンシュ氏の作品も展示されている。 フランスの外交関係者とビジネス界の人間が手 を結び、スペースと領域をダイナミックかつ多彩に 表現したアートイベント――それは実のところ外交 にもビジネスにも支配されない“ノーマンズランド” なのである。