極上のタイムピースを探す。
ファッションセンスを測るバロメーターと言えば……、そう、靴。
たとえばベルルッティの輝く革靴をパーフェクトに履きこなしている人を見たら、
それだけで敬服してしまうこと間違いなし。そして同じことは時計にも当てはまる。
どのブランドの何のモデルを腕にまとっているかで、周りの目が一変することもしばしば。
そこで今号ではハイエンドな腕時計をコレクションするショップを突撃取材。
果たしてあなたのお気に入りは見つかる?
ISHIDA青山表参道
2006年のオープン以来、時計店のイメージを
革新し続けてきたのがこのISHIDA青山表参道。ラ
グジュアリーブランドが軒を連ねる通りに直面し、さ
らには表参道ヒルズの隣というロケーションからも、
このショップのエクスクルーシブさは一目瞭然だろ
う。店内に足を踏み入れると、ゆったりとした空間
のしつらえは圧巻。約600㎡に及ぶ総床面積を誇
り、その佇まいはどちらかといえば高級タイムピー
スのミュージアムだ。

しかし高級ブランドを扱うショップで時折り感じ る、お高くとまった雰囲気はみじんもない。表参道 という立地も手伝って、ショッピングの合間に店内 をのぞく買い物客も少なくないが、誰であっても接 客は丁寧&細やか。本気で時計を選びに来た客も、 なんとなく興味本位で訪れた人でも、過剰なプレッ シャーを感じることはまったくない。しかし時計のコ レクションにかけては、究極のこだわりと哲学が前 面に主張されている。実際、店内に数多く設けら れたブースやディスプレイに並ぶのは、IWC、ゼニ ス、ブライトリング、A. ランゲ&ゾーネなどの「超」 がつく高級時計ばかり。
「IWC、パネライ、ブライトリングの3ブランドが 良く出ています。特に30〜50代のお客さまが、2 本目、3本目の時計として購入していくパターンが 多いですね」。そう語るのは、ISHIDA青山表参道 を経営するベスト販売で販売促進部マネージャーを 務める縄田滋さん。
「この3ブランドは価格的に決して安いという訳で はないのですが、デザインと機能性の双方を考え たときコストパフォーマンスがとても高くて人気があ ります
また縄田さんによると、年初のジュネーブやバー ゼルで発表されたニューモデルが入荷し始めるのが 今の時期で、新作をチェックするにはベストのタイ ミングだという。
ISHIDA青山表参道で取り扱うブランドはその数
60近く。人気映画である『スター・ウォーズ』や『キ
ル・ビル』とのコラボで制作したオリジナルウォッチ
から、サラリーマンの年収に匹敵する時計まで幅広
く取り揃えている。ちなみに今回の取材時、店頭に
並んでいたもっとも高価なタイムピースはA. ランゲ
&ゾーネの「カバレット・トゥールビヨン」。お値段は
〆て2,800万円也。在庫は1本のみということなの
で興味ある読者はお急ぎあれ。でないと売り切れて
しまう可能性もなきにしもあらず?天賞堂
銀座4丁目に店舗を構える天賞堂の歴史はなんと
1世紀超! それだけでも驚きだが、よりスゴいのは
創業当初よりその名が「本物の証」として多くの人
の信頼を得ていたという事実だ。実際、夏目漱石
や永井荷風が著した小説にもその名は登場。たとえ
ば漱石の『野分』では、女が身につけていた見慣れ
ない指輪にふれて男が「金鉱石(ダイヤモンド)です
か?」と聞くと、女がすかさず「さうでしょう。天賞
堂から取ったんですから」と返すくだりがある。その
キッパリとした口ぶりには、天賞堂の名を出せばあ
とは説明の必要なしとの態度が如実に現れている。
時代は変わって現代でも天賞堂のステイタスは健 在。ジュエリーや鉄道模型なども取り扱うが、時計 に関してはオメガ、IWC、ボーム&メルシエなど数 多くの高級ブランドを取り揃える。それら外国ブラン ドは当然のことながら人気商品だが、同時に天賞堂 オリジナルウォッチも大いなる人気を博しているとい う。『Made in Ginza』というフレーズのもと製造さ れるオリジナル時計。代表取締役を務める新本秀 章氏のイニシアティブのもと進められたシリーズで、 価格帯は比較的安価な10万円以下のものから80万 円近くのものまでバリエーションに富む。
「天賞堂オリジナルウォッチの人気は高く、世に
言う高級時計ともさほどの違いはありません。売上
的にもかなりの割合を占めていますね」と語るのは
天賞堂販売促進部に勤める米川恒一郎さん。2009年は創業130周年にあたり天賞堂にとって 特別なイヤー。そのランドマークを記念して、スイ スの時計メーカーであるゼニス、ユリス・ナルダン とコラボしてアニバーサリースペシャルのモデルを 発売した。前者は「ベスト・メカニカル・ムーブメント・ オブ・ザ・イヤー」を授与されたこともある『エリート』 をベースに、後者はこれまた人気モデルである『サ ンマルコ』をベースに製造されたもの。どちらも奇を てらわないクラシカルなデザイン、数量限定で製造 されたプレミアアイテムだ。
時計店としての歴史と伝統を一見するだけでもそ の高き血筋は明らかな天賞堂。しかしそこに安住し ないのもまた天賞堂なのだ。そして現在、2010年 リリースの予定で進められているのが漆を装飾に用 いたオリジナルウォッチの開発。毎日使用すること が前提されている時計に漆を使用するにはクリアす べきハードルも多いというが、現在、最終的なデ ザイン、スペックの詰めの作業中という。天賞堂 特製漆ウォッチの完成型を見る日もそう遠くない。
BEST Shinjuku
文字通り高級タイムピースの塔としてそびえる BEST新宿本店。新宿駅東口に建つビルの地下1 階から5階までの6フロアすべてを時計売り場に割当 て、オーデマ・ピゲ、ヴァシェロン・コンスタンタン からタグ・ホイヤーやG-Shockまでを取り揃える。し かも各フロアはそれぞれのテーマ付けがされていて、 売場ごとの明確な差別化も徹底されている。たとえ ば、5階のフロアはブライトリングに限定する一方、 4階はハイエンドなタイムピースの殿堂の様相を呈す る。ヴァシェロン・コンスタンタンやジャガー・ルクルー ト、オーデマ・ピゲなどのブランドがお目当てならば この4階がおすすめ。IWC、ゼニス、ベル&ロス、 パネライなどは3階にすべて集約されている。
このBEST新宿も、前述のISHIDA同様ベスト販
売によって運営されているのだが、そのコレクショ
ンはやはり国内随一。しかも約70人いるスタッフは
例外なく時計のエキスパートであり、客のあらゆる
質問に対応する知識を持つ。「BEST新宿本店に来るお客さんは本当に時計マ ニアの方が多いんですね。お店にやってきて 開口一番、このブランドのムーブメントを造っ たあのエンジニアはすごいとかそういう話に なりますからね(笑)。そういったお客さんに とっては、ブランドイメージではなく技術の 高さが一番の関心事なんですね。なので我々 スタッフもどんな質問がお客様から来てもい いように常に準備しておく必要があります」 と前述の縄田さんは語る
ちなみにBEST新宿本店はB1において中
古タイムピースの販売も行っており、ロレック
スやフランク・ミューラーを含む3000本近い時計が
次なるオーナーを待ちわびている。しかもその多くは
デッドストックや限定カラーモデルなど希少価値の高
いモデル。今では入手困難なアンティークもあり、
時計好きなら見逃すことのできないフロアである。And more!
銀座と言えば、服飾、インテリアなどジャンル に限らず高級ブランドがわれ先を争うエリア。時計 の分野でも天賞堂のように高級時計を扱う店は数 多くある。ここでもう一件チェックしておきたいのが M&R サロン・ド・モントレ。ロレックスやパネライ をはじめとした高級ブランドの正規代理店だ。店名 が示すようにサロンのごとくリラックスした空間で、 会話を楽しみながら時計選びが出来るのが特徴。 逆に、狙いのブランドはなく、なるべく多くのブラン ド、時計を見てから決めたいというむきには渋谷に 店を構える宝石広場がおすすめ。新旧含めた有名 ブランドの時計をバラエティ豊富に揃えている。❖
ISHIDA Aoyama Omotesando
B1, 4-25-15 Jingumae, Shibuya-ku
Tel: (03) 5785-3600
Tenshodo
4-3-9 Ginza, Chuo-ku
Tel: (03) 3561-0102
BEST Shinjuku Honten
3-17-12 Shinjuku, Shinjuku-ku
Tel: (03) 5360-6800
M&R Salon de Montres
8-7-22 Ginza, Chuo-ku
Tel: (03) 5537-5805
Housekihiroba
A2 Building 4-5F
28-3 Utagawacho, Shibuya-ku
Tel: (03) 5458-5429





