小さなもの、大きなもの — そして暴力的な結末を迎えたもの。
小林國雄さんが東京の東にある住宅地に「春花園BONSAI美術館」をオープンしたのは8年前のこと。盆栽アートのすばらしさを、海外を含め多くのノーマに伝えたいとの思いから始めた。
敷地内は玉砂利や敷石で覆われており、その佇まいはお寺を連想させる。作業場では、専用の道具をかたわらに並べたお弟子さんたちが、回転台に載せた盆栽を慎重に刈り込んでいるところだ。

作業場の向かいは前面がガラス張りの建物で、彫刻を施した木製の飾り台がずらりと並んでいる。盆栽の一番いいところが見えるようにこれらの飾台ひとつひとつデザインされている。そのそばには何百という鉢。幅が1メートル近くあろうかという浅鉢から、優美で光沢のある釉薬がかかったものまで姿形は様々だ。
ショーウィンドウには長年丹誠込めて育てられた欅のミニチュアが飾られていた。幹の上で完璧な傘のかたちになるように枝が刈り込まれている。種からここまで育つのにおよそ50年、そのかたちは100パーセント人の手によって作られている。
これとは対照的に、自然の力が生み出した作品もある。その木とはビャクシンで数百年前、日本の高山で見つけ出された当時、ひどく痛んでいたのを山から下ろされて、まだ生きている部分だけでも生き延びさせたいと考えた土地の人から養生を受けた。その甲斐あって見事に生き返り、黒っぽい部分が、死んで白くなった部分に巻きついている。
次に紹介する「江戸東京博物館」もテーマは日本文化だ。
敷地面積は約3万平方メートル、見学者は1590年代に作られた堂々たる日本橋のレプリカを渡って入場する。展示ゾーンは3つのエリアで構成されており、江戸ゾーンからスタートする。貴重な掛け軸や絵画、あるいは浮世絵が、この都市の発展してきた様子を物語る。細部まで完璧に再現された縮尺模型は子供たちの注目の的だ。木造住宅、神社、沿岸部を行き来した船のレプリカなど、思わず目を引かれるディスプレイが続く。
東京ゾーンは、この大都市が日々強まっていく外国からの影響を受けつつ、“江戸”から近代都市に生まれ変わる姿を描いている。ここでは1923年に発生した関東大震災と、第2次世界大戦という壊滅的な2度の災難から東京が立ち直り、日本が奇跡の高度成長期にいたるまでの推移をたどることができる。3番目のゾーンは、東京の文化および歴史に関する期間限定の特別企画展にあてられている。
横浜の海上保安資料館横浜館には、前述の2つよりはるかに現代に関わる歴史の展示がなされている。もっともそこでディスプレイされている事件は、スパイ・サスペンスの一種だと主張する向きもあるかもしれない。
2001年12月22日、海上保安庁は九州南西水域で1隻の不審船を発見との報告を受け、その不審船追尾のため航空機と巡視船を出動させた。追跡の模様は、その後数日にわたり繰り返しテレビで放映された。海上保安庁の巡視船が不審船を追尾し、停船命令を発したうえで船首越しに威嚇射撃をする。ここではそうした一連の動きをビデオで見られる。
海上保安庁の巡視船は北朝鮮の不審船から計173発の銃弾を浴びる。その不審船から火の手が上がり、最終的に爆発した。乗組員による自爆だったとされている。
10ヵ月後、船は海底から引き上げられ、当局は発見したものに衝撃を受けた。船が沈没した際に死亡した乗組員10人の遺体のほかに、肩打ち式ロケットランチャー、AKS-74自動小銃、手榴弾、防水服および潜水具、鹿児島県沿岸の地図、ゴムボート1隻、電子機器および文書、そして金日成がにっこりほほえむ顔が描かれた襟章1個が回収されたのだ。
規模は小さいが、海上保安庁の優れた働きを生き生きと伝える資料館だ。❖
春花園BONSAI美術館
Tel: 03-3670-8622
www.kunio-kobayashi.com
江戸東京博物館
Tel: 03-3626-9974
www.edo-tokyo-museum.or.jp
横浜の海上保安資料館横浜館
Tel: 045-662-1185
www.kaiho.mlit.go.jp





